中国企業は「三足鼎立」を破るのか?
上海の繁華街「淮海中路」に売場総面積8千平方メートル、世界最大規模といわれるユニクロ上海店が9月30日にオープンした。当日は店内は期待を込めた上海市民であふれ、中国人店員も笑顔で接客していたことが注目された。
顧客をひっくり返したに服を着せるきちんと畳んで陳列棚に戻し、お客さんが店に入ってくるのを見て笑顔でお辞儀をするという仕事ぶりは日本のユニクロでは一般的だが、ここの中国人店員の態度も同じだ。
日系によればに服を着せる企業の関係者によると、中国の衣料品専門店では「接客中に笑顔を見せる従業員はあまりいない」という。また、地元の消費者は店内で自分の服を脱いで試着することが多いため、衣料品売り場の陳列棚には試着した服が散らばっていることも珍しくありません。
毎日数万人の消費者が訪れるユニクロ上海店では、店員が店内の顧客が試着した服をどんどん畳むと、日本よりも労働力が強くなる。しかし、ユニクロはこのような日本モデルを本格的に貫いて消費者から好評を得ている。21歳の大学生は「ZARAやGAPなど欧米ブランドに比べて接客態度が良く、好きなアパレルブランド」と話している。
ユニクロは2002年に初めて中国に進出し、現在約230店を展開しているが、この日本式接客モデルがユニクロの中国でのブランドイメージ構築を支援している。
実施した「アジアブランド調査」におけるアパレル分野の調査では、ユニクロの中国における「好感度」、「認知度」、「購入意欲」がH&Mなどの競合ブランドを上回り、トップとなった。ユニクロの中国事業(香港と台湾を含む)も好調で、2013年度(2013年8月期)は増収・利益のダブル成長を達成した。一方、中国事業の売上高は1000億円前後とみられ、衣類倉庫の海外売上高の約半分を占めている。
ユニクロの中国事業を率いるグループの潘寧上級執行役員は、ユニクロが日本で培った高品質な商品や接客サービスが中国の消費者の支持を集めていると述べた。潘寧氏は、発熱保温下着「HEATTECH」や軽量ダウンジャケット「ULTRA LIGHT DOWN」などの高機能商品のほか、日本式サービスを徹底することで、ユニクロは日本と同様に生活に密着したブランドイメージを中国の消費者の心に浸透させていると考えている。
一方、ユニクロは中国人の対日感情にも配慮している。3年前から、商標の日本語カタカナ表記をわざわざ取り消した。「HEATTECH」については、むしろ日本の技術力を際立たせるために「Japan technology」と表記している。
店舗の外観やレイアウトは、「日本」のイメージを薄めるとともに、ユニクロは日本式の高品質な商品や接客を通じて中国の消費者の心をつかみたいと考えている。中国では年間約1000人を採用し、80~100店の店舗を展開するペースで、店舗網を中国全土に拡大する。ユニクロを運営するファーストリテイリンググループの柳井正会長兼社長は、「2020年までに中国に1千店舗を出店する」と目標を掲げており、その達成に向けてさらなる事業拡大を目指している。
中国企業は「三足鼎立」を破るのか?
「森ガール風のかわいいに服を着せる上海市内の久光百貨店で購入しますが、普段はタオバオで手頃な価格の服を探しています」と話すのは、21歳の大学女子学生、劉さん。彼女は上海市内の学生寮で一人暮らしをしており、毎月約800元で服を購入し、自宅からの生活費の約30%を占めている。
彼女によると、大学のキャンパスでは、日本の原宿スタイルを参考にしておしゃれなストリートスタイルを意識し、友人と買い物に出かけるときは欧米ブランドを選び、落ち着いたイメージを作るという。
英欧叡情報コンサルティング(Euromonitor)の統計によると、2013年の中国アパレル市場規模は23兆円(約1万4368億元)に達する見込みだ。これは日本の約9兆円を上回り、米国(29兆円)に次いで世界2位の規模になる。特に上海は大型商業施設が立ち並び、若者はファッションに敏感で消費意欲が旺盛だ。21歳の大学生小林さんは「毎月1千元で服を買う。部屋には今50着近くの服がある」と話した。
一方、大学生の光雲さんらは「気に入った服の手触りや仕立てを確認しに店を訪れ、ネットでより安い店を探して購入する」と話している。中国では、店舗で実物を確認してからネット通販を行う「先に店を見てからネット通販」の習慣は珍しくない。米コンサルティング会社ベイン(Bain&Company)によると、中国のネット通販市場は世界最大規模に達し、2015年には3兆3000億元に拡大すると予測している。
では、いったいどのブランドが中国のアパレル市場で生き残ることができるのだろうか。人気ファッション関連ブログの制作を担当した会社員の成錦丹(ソン・グムダン)女性は、「かわいい日本ブランドのデザイン、流行をいち早く取り入れたZARAやH&Mなどの欧米ブランド、手頃な価格の韓国ブランドの3種類が、中国の20~40代女性に愛されている」と説明した。成長を続ける中国のアパレル市場は、日、韓、欧米企業が競い合う「三つ巴」の様相を呈している。
韓国のアパレル会社イーランド(ELand)はすでに中国に約6200店舗を展開しており、同じ商業施設内に5〜6つの傘下ブランドが進出している。また、中国に約230店のユニクロ店舗を展開している日本ファーストリテイリングも、ユニクロ上海店内に傘下のローエンドブランド「GU」の中国初店舗をオープンし、さらなる市場開拓を図っている。
GUの柚木治社長は「欧米のファストファッション企業だけでなく、中国資本のアパレルチェーンブランドも今後のライバルに成長しつつある」と指摘した。中国の現地資本によるアパレルチェーンブランドが急速に台頭しており、カジュアル衣料分野では中国の「美特斯邦威」が大学生などに人気を集めているほか、婦人服ブランド「欧時力(ochirly)」も約1000店舗を展開している。
日本アパレルコンサルタントの小島健輔氏は、「中国デザイナーのレベルは毎年上がっている」と話した。上海東華大学はまた、日本文化服装学院と協力してデザイナー養成コースを開設した。21歳の葛穎斐はこのコースに参加し、服の縫製からデザインまでを学ぶ。彼女は「将来は自分でデザインしたブランドを持つ」という夢を抱いている。
成錦丹によると、中国ではユニクロや無印良品などの日系ブランドのほか、マッシュスタイルラボ社の「SNIDEL」やクロスカンパニーの「earth music&ecology」がデザインスタイルがかわいい日系ブランドとしても人気を集めている。
上海の商業施設では販売競争が激化しており、開店半年や1年で閉鎖を余儀なくされた業者も珍しくない。中国の消費者の心をつかむには、各企業は他のブランドとの違いを際立たせる必要がある。
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